身近な人が「カサンドラ」
かもしれないと思ったら
当事者の周囲の皆さまへ

なんとなく元気がない、いつもより言葉が少ない、自分のことを話してくれなくなった――
最近、身近なあの人の様子が気になっていませんか?
もしかするとその背景には、「カサンドラ症候群」と呼ばれる状態があるかもしれません。
カサンドラ症候群の当事者は、「わかってもらえない」「話しても通じない」という深い孤独感や無力感を抱えています。
まずは、その沈黙の中にあるSOSに気づき、受け止めてあげてください。
話を聞いて、感情に寄り添うことが、何よりの支えになります。
このページでは、「当事者が発するかもしれないSOSのサイン」「カサンドラ症候群の当事者の心の中で起きていること」「周囲の人にできる“寄り添い方”の具体例」をわかりやすく紹介します。
カサンドラの私を見つけて
カサンドラのSOS
カサンドラ症候群の当事者は、誰にも理解されない孤独の中で、長い間ひとりで耐えていることがあります。けれど、その苦しさは、言葉や行動、あるいは雰囲気として、小さなSOSサインとなって表れていることがあります。あなたの身近な人が、こんな様子を見せていませんか?

- 「話が通じない」「会話がかみ合わない」とパートナーへの戸惑いを話していた
- 「私さえ我慢すれば…」「自分が悪いのかもしれない」と自分を否定するような言葉があった
- パートナーが感情を示さない、過剰に怒るなど、極端な反応があると話していた
- 自分の存在や努力が、認められていないように感じていると話していた
- 人付き合いを避けるようになった、孤立しているように見える
- 以前より元気がない、家庭のことをあまり話さなくなった
カサンドラの心の中のつぶやき
カサンドラ症候群の当事者は、日常的に孤独・混乱・自己否定の中で過ごしています。以下は、当事者が抱きやすい内面の一例です。
どうせ話してもわかってもらえない

「周りの人にわかってもらえないなら、もう話さない方がいいのかも。」
心の中で起きていること
共感や対話が成立しない関係性の中で、何度も「否定される」「理解されない」経験を積み重ねてきた結果、「話すこと=傷つくこと」と感じ、沈黙を選ぶようになります。
一見「何も言わない」ように見えても、実はその奥に、深いあきらめや絶望があります。
私が悪いのかもしれない

「私が神経質すぎるのかな。怒る方が間違ってる?これは私の問題?」
心の中で起きていること
相手から共感やフィードバックが返ってこない関係性では、当事者は「自分の感じ方」に自信を失っていきます。次第に「感じている自分」や「怒っている自分」すら信じられなくなり、自己否定や自己疑念に苦しむようになります。
私の存在価値って何だろう…?

「私の存在って、必要とされてる?誰の役にも立ててない気がする。」
心の中で起きていること
努力しても認められない。感情を伝えても届かない。そんな関係性が続くと、当事者は存在そのものが無価値に思えてきます。これは、慢性的な無力感・無価値感として現れ、うつ状態や希死念慮につながることもあります。
寄り添いのヒント
カサンドラ症候群の当事者は、「わかってもらえない苦しさ」のなかで孤立し、言葉にできない想いを抱えています。
そんなとき、そばにいる人のちょっとした声かけや接し方が、大きな支えになります。ここでは当事者への寄り添いのヒントをご紹介します。あなたのその一歩が、当事者の回復への第一歩につながるかもしれません。

気にかけていることを伝える
「最近どう?」「ちょっと気になってて…」など、声をかけてみてください。さりげなくでも関心を向けることが、当事者が心を開くきっかけになります。

話を聴く・気持ちを受けとめる
「そんなふうに感じていたんだね」「つらかったね」と、評価せず、ただ気持ちに寄り添う姿勢が大切です。アドバイスよりも、共感が支えになります。

必要な情報を伝える
「こういうサポートがあるみたい」と情報をそっと渡してください。「気になったら読んでみて」など相手の気持ちを尊重する言葉も添えてください。
NGな接し方
よかれと思ってかけた言葉や態度が、当事者をさらに孤立させてしまうことがあります。相手を理解しようとする前に、知らず知らずのうちに判断や比較をしてしまっていないか、一度立ち止まって考えてみてください。
ここでは、当事者の心を傷つけやすい接し方の例を紹介します。
- 「そんなことくらいで悩むなんて」
- 「あなたが求めすぎ、わがまま」
- 「相手に対しての感謝の気持ちが足りないのでは」
- 「あなたが選んだ相手でしょう?」
- 「愚痴なんて聴きたくない」
- 「相手に優しくしてみたら」
- 「いちいち気にしないこと」
- 「こどものためにも離婚しないで頑張ったほうがいいよ」
- 「我慢すればきっといいことがある」
- 「どこの夫婦にでもあること」
- 「もっと大変な人もいるよ」
- 「私の方がもっと大変だった」
こんなときどうする?
カサンドラ症候群Q&A
周囲の人も「どう接したらいいの?」と戸惑うことが多いのが現実です。このQ&Aでは、そんな疑問・不安を少しでも解消するためのヒントをお届けします。
あなたの寄り添いが希望になる
孤立している当事者にとって、周囲の人の温かな寄り添いが何よりの支えになります。ここでは、周囲の人の関わりによって、少しずつ前を向けるようになった当事者の声をご紹介します。

私の態度が気に入らないと不機嫌になり、口を利かなくなる夫。地雷がどこにあるのかわからず、夫の顔色を伺うようになり、常に緊張状態の生活が辛かった。
実家に行ったとき、父と母が「元気がないようだけど」と声をかけてくれた。
両親に心配をかけたくないので、ためらいはあったが、夫の様子を話してみたら「それは辛いね・・・」と言ってくれたので、ほっとして涙が出た。
その後も、話をじっくり聞いてくれて、自分たちの意見を押し付けることはせず、「あなたはどうしたい?」「あなたがいちばん楽になる選択を応援するよ」と言ってくれたことで、安心感を持ちながら、自分の気持ちを整理することができた。
その後、夫とは離婚した。離婚までは、色々しんどいこともあったが、両親の支えもあり乗り越えることができた。
私の自己決定を尊重し、寄り添い続けてくれた両親に心から感謝している。

相談を持ちかけても黙って石のようになる夫との関係がしんどくて、母親に相談したら、「男は無口なほうがいいの。家庭は女が切り盛りしたほうがうまくいくんだから」と言われた。
その後、何度か相談しても、「家庭のために働いてくれていることに感謝しなさい」とたしなめられたため、自分がわがままなのだと思うようになった。
しかし、心に少しずつ重いものが溜まっていった。
学生時代の友人に会った時、思い切って夫との悩みを打ち明けてみた。
彼女は私の話をさえぎらず否定せず、最後まで頷きながら耳を傾けてくれた。そして「辛いよね・・話してくれてありがとう。辛い時はいつでも話を聞くよ」と言ってくれた。
その後、何度か話を聞いてもらっているうちに、ほんの少し気持ちが楽になった気がした。
そんな時、彼女がカサンドラ症候群のことを教えてくれた。
まさしく私のことかもしれないと感じ、フルリールにつながった。
そこで、私と同じような悩みを抱えた人たちに初めて出会い、参加を続けるうちに、夫との関係を冷静に受け止め、これからどうしていきたいかを考えてくことができるようになった。
私に寄り添ってくれた友人の存在が、今のわたしにつながっている。
ひとりで悩む日々から、一歩を
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